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Down Down the Deep River
     深い川に流されて/二度と戻れないあの時

アメリカ映画 (2014)

上映時間42分の「長い」 ショートフィルム。1980年代のニューハンプシャー州の片田舎を舞台に、エイリアンのキャラを描くことの好きな1人の孤独な少年が、転校生との間で初めての友情にひたり、しかし、最後には突然疎まれ見捨てられるまでの半年を描いたノスタルジー溢れる作品。ショートフィルムなので、観客に媚びることなく、自由奔放に、言葉を変えれば、監督が描きたいままに、少年時代の喜びと悲しみをオブラートで包み込むように優しく表現している。映画は、Okkervil Riverの同名オルタナティヴ・ロックと密接な関係がある(冒頭にも流される)。映画題名の邦訳に副題を付けるにあたっては、この曲の中間部にある歌詞「We can never go back; we can only remember」が、映画の内容にぴったりだと思い、そのまま拝借した。映画の中で、主人公の少年(名前はない)が最初の頃に身につけていたTシャツに「Plainfield」と書いてあった。学校にも「Plainfield School」と表示されている。このPlainfield(プレインフィールド)はボストンの北西40キロほどの所に実際に存在するニューハンプシャー州サリヴァン郡の人口2000人余の村。美しい自然の中に、よく管理された建物がまばらに点在する平和な集落。映画はこの村で撮影も行い、小学校と2つの教会などもそのまま使われている。この映画の最大の特徴は、字幕は存在していても「会話」がないこと。主人公の少年と、友達になる少年の間では一言も会話は交わされない〔字幕にあるのは、TVの音声、学校で教師と他の生徒の間に交わされる会話などで、映画の進行にはほとんど関与しない〕。それでも物語が進むところに監督の巧みな演出がある。映画の中で、主人公が創作した「平和なエイリアン」が数回登場する。もちろん、それは主人公だけが目にする空想の産物なのだが、それをどう解釈するかは観客に任せるというのが監督のスタンスだそうだ。

プレインフィールドの郊外に住む4人家族の長男は、いつもオルタナティヴ・ロックを聴き、平和なエイリアンを描くのが好きな少年。ただ、その消極的でオタクっぽい行動が同級生からはバカにされ、誰にも相手にされず、孤独な日々を送っていた。しかし、夏休みの少し前、大きな変化が現れる。1人の少年が転校してきたのだ。そして、その少年もマンガを描くのが好き。2人は意気投合し、転校してきた少年の家や、森の中に作った隠れ家で思う存分遊ぶ。そして、2人の友情の記念に、いろいろなものを詰めた箱を隠れ家の横に埋める。季節は秋になり、隠れ家で遊んでいた2人は、帰り道で猟銃の音を聴き、避けるように歩くうち道に迷った上に、片方の少年が足を挫いてしまう。暗くなり、かつ、動けないため、森の中で夜を過し、翌朝ハンターに発見される。そして、雪に埋もれた冬。転校してきた少年は、ある時点まで主人公の少年と付き合っていたが、ある日、急に心変わりし、他の生徒たちと付き合い始める。主人公の少年は、相手の少年の家の戸口に森で待っていると書いたメモを残し、森で待っていたが少年は現れなかった。主人公の少年は、絶望し、隠れ家を破壊する。そして、時を置かずして、いつしか、友達だった少年は再び転校していなくなる。雪が融け、再び夏が訪れる頃、主人公の少年は、森へ行き、かつて2人で埋めた箱を掘り出し、悲しい思い出に浸るのだった。

主人公を演じるのはダスティン・コーノイヤー(Dustin Cournoyer)。登校人物はすべて地元の人材と書いてあるし、映画への出演歴もないので、素人に近い少年であろう。そばかすだらけの顔が印象的。


あらすじ

映画の冒頭、主人公の少年が、自室で、Okkervil Riverの「Down Down the Deep River」のカセットを入れ、音楽に体を浸している様子が映される(1枚目の写真/カセット・レコーダーは窓の下に置いてあり、右端のTVの1980年代なのでブラウン管)。少年は、カセット・レコーダーを手に家を出ると、音楽を聴きながら木の茂る斜面を登り 見晴しの良い岩の上に出る。ここでオープニング・クレジットが入り、少年が岩に座ったところで終わる(2枚目の写真)。この角度の「村の全景」は、季節の変わり目ごとに示される。
  
  

朝6時20分。父の「おい、起きる時間だぞ」の声が響く。部屋の中はまだ暗い。次のシーンではすっかり明るくなり、キッチンで少年が犬にエサをやっている。少年と、よくしゃべる弟は、父の車で学校(?)へ向かう。次のシーンは、教室の中。ただ、少年が着ているシャツは車の中とは違うので別の日だ。主人公の少年は、最後部の席で、ノートに絵を描くのに夢中(1枚目の写真)。その時、1人の少年が教室に入って来て、教師に紙を渡す。少年は空いた机に荷物を置き、教師は、「みなさん、新しいお友達ですよ。みんなで『ハイ』って言いましょう」と紹介する(2枚目の写真、矢印は主人公の少年)。この映画では、すべての登場人物に名前はないので、今後、主人公の少年は「主人公」、転校してきた少年は「転校生」と標記する。
  
  

主人公は、「ハイ」も言わずに絵を描いていたが、力を入れ過ぎて鉛筆の芯が折れてしまう。近くの子から、「あいつ、また鉛筆削るんだ」と嘲りの声が上がる。主人公が立ち上がると、横の席の男の子が背中を突き、その横の女の子が笑う。その1つ前の席の子も、さらに1つの前の席の子も笑うが、転校生だけは好意的に見ている。カメラは下に動き、その転校生がロボットのようなものの絵を描いているのを映す。2人は似ている。別の日〔服装が違う〕。生物の授業中。最前列の転校生が立ち上がると、紙切れを挟んだボールペンを主人公の机の上に置く(1枚目の写真、矢印は紙切れとポールペン)。紙は 幅2センチ、長さ15センチくらいと長細く、一面に意味不明の言葉が45度の角度で書かれている。主人公は、それをポールペンに斜めに巻きつけていく。すると、1つの行だけに意味のある文章が浮かび上がった。「COME OVER TO MY HOUSE AFTER SCHOOL(学校が終ったら僕の家においでよ)」(2枚目の写真)。なかなか面白い秘密の通信手段だ。
  
  

その日、学校が終ると、2人は一緒に転校生の家に行く。当然、新しく建てた家でははないが、かなり管理状態の悪い中古住宅だ(1枚目の写真、玄関のドアのガラスが割れたまま修理されている)。2人は2階の居間に行き、TVで漫画のビデオを見ながら好き勝手に絵を描いている。そのうち、主人公は1枚の新しい紙に、エイリアンの全身像を描き始める。転校生も赤鉛筆で参加(2枚目の写真、服の色は赤になる)。完成した絵を2人で満足そうに見て〔エイリアンの赤い服は、後で自作して2人で交互に着る〕、TVの下に積んであるビデオの山の上に置く〔60本ほどが6列に分けて積んである→すべて父親のもの〕。しばらくして、車が砂利の上で止まる音が聞こえる〔父親が帰宅した〕。転校生は、散らかした絵を急いでまとめ、TVを消す。そして、主人公を促し、階段を駆け下りて1階の自室に逃げ込む。主人公は訳がわからないが、素直に従う。階段を上がっていく足音が聞こえる(3枚目の写真)。上がりきると、すぐにTVの音が聞こえる。
  
  
  

別の日。終業のベルが鳴る。教室の出口では転校生が待っている。そこに、主人公が合流する(1枚目の写真)。黒板には「HAVE A GREAT SUMMER!(楽しい夏休みを!)」と書いてあるので、今日が○年生の最終日〔学年不詳〕。これから長い夏休みに入る。次のシーンでは、2人が学校の玄関から出て行く。上には、「PLAINFIELD SCHOOL」と書かれているが、この建物はネットの写真でプレインフィールド小学校だと確認できた。この小学校は、村の中心から1キロ以上離れた辺鄙な場所にある。だから、2人は学校を出ると すぐに墓地、そして、その先の森に入って行くが(2枚目の写真)、地形的に矛盾はない。なぜか、転校生が先を行く。きっと、転校してきてから1人で探検したのだろう。渓流を渡り、森を抜け、雑草の野原をかき分けると、その先にあったのは農家の廃墟。内壁にはいっぱい悪戯書きがあるので、地元の子供もよく知っている場所なのだろう。2人は、壊れた大屋根に開いた穴から外を見る(3枚目の写真)。
  
  
  

2人は一緒に映画を観に行き、その後、図書館に行ってモンスター関連の本を見る(1枚目の写真)。転校生の部屋に行くと、2人で作ったエイリアンの赤い服を 転校生が着て、それを主人公がポラロイドで撮る(2枚目の写真、矢印は撮った写真)。その時、また、車が砂利を踏む音。転校生はいそいで流していた音楽を切る。2階でTVが始まると、2人は騒ぐことができず、何となく手持ち無沙汰。主人公は、思い切って、2階がどうなっているのかこっそり見に行く。階段を一歩ずつ慎重に上がるが、転校生も不安なので 下で見守っている。ついに上がりきり角から覗くと(3枚目の写真)〔ドアは元々ついていないか、開けっ放し?〕、居間のソファには怖い顔をした中年の男性が座り、異常な感じでTVに見入っている〔戦争によるPTSDらしく、手が小刻みに振るえている/妻は離婚し、息子と2人だけで暮らしている〕
  
  
  

別な日、2人はカラフルな服装で、メリデン組合教会に向かう〔有名なので、ネットですぐに確認できる〕。中に入った2人。転校生は説教檀の中から何かの箱を取り出して見ている。その次に行ったのがプレインフィールド公会堂〔同上〕。中には小さな舞台がある。主人公は、その前に置いてあったプレイヤーからレコードを拝借し、持ってきたリュックに入れる。その後、2人は、森に入って行く。転校性はプラスチックの収納ボックスを持参している。そして、農家の廃墟の脇に作った「隠れ家」まで運んで行く。この「隠れ家」は、大きな枝を縦に並べて作った空間に布で屋根をかけたもので、あちこちに怪物のプラスチック人形が縛りつけてある〔2人がいつ、どうやってこの「隠れ家」を作ったのかは紹介されない/これまで何度も、この中で遊んだのであろう〕。転校性が脇に穴を掘っている間に、主人公はエイリアンの赤い服を着て、収納ボックスにこれまで貯めた「宝物」を入れていく(1枚目の写真)。作業が終わると、2人で「隠れ家」に寝転ぶ(2枚目の写真)。そして、いよいよ「埋納」の儀式。掘った穴に収納ボックスを入れ、上から土を被せる。そして、何かの儀式のように缶を振りながら、埋めた真上に大きな石を置く(3枚目の写真、矢印は箱の位置)。
  
  
  

そして、秋(1枚目の写真)。まだ、新年度が始まらないので、主人公は自分の部屋で1人で遊んでいる〔この部屋に転校生は一度も来たことがない。恐らく、転校生の家は学校の近く、主人公の家はかなり遠いのであろう〕。夏休みが終わり、1つ上の学年の新年度が始まる〔紅葉の時期とズレている〕。教室は前と違い1人用の長方形の机。担任は女性から男性に変わっている。主人公は、最後列の机に座っている転校生を見つけると、さっそく、その隣に座る。主人公が新しい教科書を見ていると、転校生がいつもの長い紙を渡す(2枚目の写真、矢印)。それをペンに巻くと、「MEET AT A-FRAME AFTER SCHOOL(学校が終ったらAフレームで会おう)」と書いてあった(3枚目の写真)。
  
  
  

アメリカでも小学校は学級担任制なので、2人とも同じ時間にクラスを出られるはずなのだが、なぜか、主人公が1人で「隠れ家」に向かう。転校生は、先に着いて待っていた(1枚目の写真)。2人は「隠れ家」の中で、長く会えなかった鬱憤を晴らすかのようにたっぷり遊ぶ。そのため、「隠れ家」を出た時には、夕方が迫っていた。2人は森の中で迷ったようにゆっくりと歩き始める。その時、一発の銃声が聞こえる。秋は狩猟のシーズンだ。変に動き回っていると撃たれる恐れがある。2人は立ち止まり、慎重に見廻してから歩き始める。しかし、歩き方はやはり遅い。道に迷ったのは本当なのかもしれない。2人が窪地を歩いていると、転校生が足を取られて転び、捻挫する(2枚目の写真、矢印は転んだ転校生)。主人公は、転校生に肩を貸して歩くが、辺りはますます暗くなり、どこをどう歩いているかも分からなくなる。疲れた転校生を休ませ、主人公が少し先を見に行くと、前方に自分が描いたエイリアンが立っている(3枚目の写真)。それが単なる幻想なのか、それとも、何かの予兆・サインを意味するのかは最後まで分からない。
  
  
  

主人公は、怖くなって逃げ戻ると、転校生に肩を貸して必死の勢いで幻影から逃げる。そして、それが見えなくなったところでダウンする。2人は木の下で一夜を過ごす。そして、翌朝、ハンターが2人を見つける(1枚目の写真)。連絡を受けた主人公の父が迎えに来る。2人は父の車に乗せられ、転校生の家に向かう。そこでは、転校生の父親が怖い顔をして待っていた(2枚目の写真)。一晩 行方不明になったのだから当然かもしれないが、それはお互い様なので、送ってもらってありがとうくらいは言って当然だと思うが、睨むように立っているだけ。逆に、主人公の父の方も、何も声をかけない。
  
  

主人公は、帰宅した後、玄関のドアを完全に閉めずに自室でゲームに熱中している(1枚目に写真)。何かを取ろうとキッチンに行くと、帰宅した時にはそこにいた犬がいない。ドアの外で、犬が呼ぶように吠える。主人公が急いで外に出ると、犬は走って行き、森の縁で止まって待っている。主人公は、同じ場所まで走って行き、森の中に足を踏み入れ、消えた犬を探そうと見回す。すると、犬は、エイリアンの前に座っていた(2枚目の写真)。主人公はその場に茫然と立ち尽くす(3枚目の写真)。すると、エイリアンは森の中に消えていった。この2回目の出現が何を意味するものかは全く分からない。その後、延々と一家団らんの夕食シーンが続く。その際、話し続けるのは弟で主人公は何も食べず、ただじっと座って考え込む。犬はエイリアンと一緒に消えたまま戻ってきていない。主人公が考え込んでいるのは、エイリアンを再度見たためか、犬が戻って来ないからなのか?
  
  
  

そして、冬(1枚目の写真)。ある日、学校に行った主人公は、クラスで、前から「一番偏見を持たれている」生徒に睨まれる。そして、学校が終った後、外に出て父の車を待っていると、いきなり後ろから ど突かれる。雪の上に倒れるが、さらにそれ以上殴られそうなので、必死で逃げる(2枚目の写真)。そして、森に入って行き、相手が雪でつまずいた隙に、倒木の陰に隠れる。そして、こっそり様子を伺うと、目に入ったのはエイリアンと向き合う意地悪な生徒(3枚目の写真)。このエイリアンが、主人公以外に見えるとは思えないので、実際に起こったことは、「主人公の姿が見えない」ので生徒が立ち止まり、引き上げていっただけなのかもしれない。それにしても、主人公は、なぜエイリアンを見たのか?
  
  
  

翌日。昨日、主人公を虐めて森まで追って行った生徒は欠席している(1枚目の写真)〔ということは、エイリアンが何かしたのか? エイリアンは「善の大使」で、悪者をやっつけてくれるのか?〕。主人公は、欠席とエイリアンとの因果関係について考える(2枚目の写真)。次のシーンは転校生の部屋。主人公が持ち込んだ1人用のゲーム機で、転校生が遊んでいる。ゲームは小さく画面は見れないし、自分で何度も遊んだので、主人公はつまらなさそうにしている(3枚目の写真)。この直後、カメラは2階の居間でTVを見る父親に切り替わる。そして、カメラがゆっくりと引くと、父親の呆(ほう)けたような顔の右にある鏡にエイリアンの姿が映る(!)。主人公は、帰り支度をしたフル装備で、こっそり階段を上がって行く。その時、後ろから転校生もついてくる。この先が、この映画で唯一、完全に理解不能なシーン。2階の居間の前を、2人が走って横切る。部屋には誰もいない。2人は横切ってどこに行ったのか? なぜ横切ったのか? 父親はいったいどこに消えたのか? そして、4度目に出現したエイリアンの意味は?
  
  
  

前回の出来事は、大きな転機の予兆だった。翌日。主人公が、新たに描いたエイリアンを見せたくて、隣にいる転校生の注意を引こうすると、見てくれない(1枚目の写真)。おまけに、放課になると、今まで話さなかった3人グループの少年たちの仲間に入りたそうにする(2枚目の写真)。図書室では、最初のうちこそ主人公と一緒のテーブルの端で、嫌々絵を描いていたが、先ほどのグループに呼ばれると 喜んで席を立って出て行く。後に残された主人公は、以前と同じように、一人寂しく絵を描くオタク少年になってしまった(3枚目の写真)。
  
  
  

2人の少年が、転校生の家に入って行く。ところが、その後、カメラの前に重い足取りの主人公が現れる。主人公は、転校生の家に呼ばれなくなってしまったのだ。主人公は、クリスマス・イルミで飾られた転校生の家の前まで来る(1枚目の写真)。次のシーンも分かりにくいのだが、主人公は、そのまま転校生の家に無断で入り込み、2階に上がって行く。そして、1階の転校生に聞こえないよう、床をそっと歩き、机の上に置いてある父親の軍服姿の写真を見る〔何のために無断で入り、何のために2階に行ったのか?〕。別な日、主人公は、ロッカーの並んでいる学校の廊下で、転校生が他の生徒たちと仲良く話しているのを見ている。他のどの生徒も、必ず友達がいるのに、一人でいるのは主人公だけだ。主人公は、ロッカーの中で、ペンに紙を巻き付け、通信文を書く。「MEET ME AT A-FRAME TOMORROW(明日Aフレームで僕に会おう)」(2枚目の写真)。そして、『ドラゴンになった青年』(1976)というゴードン・R・ディクスンのファンタジー小説に、その紙をはさみ、転校生の家の玄関ドアの中央真下に置いておく(3枚目の写真、矢印)。
  
  
  

翌日、主人公は同じ道を歩いて「隠れ家」まで行く。同じシーンを、夏、紅葉、雪の中と3回見せるので、ロケは実際に3回に分け半年かけて行われたことが分かる。主人公は、「隠れ家」の前で延々と待つ(1枚目の写真)。そして、絶対に来ないと悟った時、怒りは爆発し、「隠れ家」をバラバラに壊す(2枚目の写真)。悲しいシーンだ。
  
  

クリスマスが終わり、主人公は最後にもう一度転校生の家を訪れる(1枚目の写真)。ノックしても返事がないので中に入ると、そこは もぬけの殻だった(2枚目の写真)。転校生は、主人公に何も言わずに引っ越してしまったのだ。家に帰った主人公が、自分の部屋で静かに泣いていると、それに気付いた父が抱きしめる(3枚目の写真、涙は鼻の先端)。
  
  
  

そして、再び夏(1枚目の写真)。主人公は、相変わらずクラスで一人ぼっち(2枚目の写真)。悪い生徒には頭を叩かれるので、結局、「あの日」は風邪か何かで休んだだけなのだろう。ある日、主人公は、スコップをかついで「隠れ家」のあった場所に戻って行く。そして、1年近く前に転校生と一緒に埋めた記念の収納ボックスを掘り出す(3枚目の写真)。
  
  
  

中に入っていたエイリアンを描いた絵を見る主人公(1枚目の写真)。箱の中には、エイリアンの服を着た転校生の写真も入っている。そして、主人公が何気なく後ろにある廃屋を見上げた時(2枚目の写真)、そこには…  主人公は、すぐに廃屋に入り、屋根裏に上がっていく。すると、そこにはエイリアンがこちらを向いて腰掛けていた。目が合う。主人公はエイリアンの隣に腰をかける(3枚目の写真)。二度と戻れないあの時。思い出だけは残っている。その思い出の中核は、自ら作り出したこのエイリアンだ。この少年は、思い出とともに生きていくしかないのか? エイリアンが救世主だとしたら、少年は何か新たな生きる勇気を与えられるのか? いろいろな疑問を残して映画は終る。
  
  
  

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